長期にマレーシアに移住する場合には、大前提としてマレーシアへ入国し、滞在するためのビザ「査証」が必要です。
此処では、ビザは取得済みと言う条件でご紹介します。
短期滞在の場合は別として、一年二年或いはそれ以上と言った長期滞在の場合には、必要な手続きを取っておかないと色々な不利益が発生します。
1,『国民健康保険』・『介護保険』の保険料の支払いをどうするかを考える
海外旅行中に、旧な病気や怪我などにより、やむを得ず現地の医療機関で診察・手術などを受けた場合、申請により一部医療費の払い戻しを受けられる制度が有ります(詳細は、全国健康保険協会のHPホームページ https://www.kyoukaikenpo.or.jp を参照の事)。
但し、実際に支払った金額全てが帰って来る訳ではなく、日本国内で同じ治療をした場合の治療費を基準に計算した額から、自己負担相当額を差し引いた残りの分が返還されます。更に、受けた治療が日本で実施できない治療を行った場合は、給付の対象にはなりません。
尚、この制度を利用するためには、日本国内での『国民健康保険』等に加入し保険料を支払い続ける必要が有りますし、そのためには日本の『住民票』の登記を続けておく必要が有ります。
また、『住民票』が有る限り、被保険者が一定の年齢になれば『介護保険』の保険料支払い義務が生じてきます。 従って、『住民票』の登記が抹消されると、自動的に『国民健康保険』や『介護保険』の保険料の支払いが免除されます。
マレーシアでは、風邪やちょっとした怪我などは、身近な『診療所』で診察・施薬してもらえば、60RM~100RM(1,560~2,600円)位ですが、入院を伴う病気や手術の場合は10,000~20,000RM(26万~52万円)と高額になります。
ですから、マレーシアに長期移住する場合には、現地で『医療保険』に加入するのも良いと思います。 特に高額治療の場合には、クレジットカードで前払いを求められます。 カードがないとその場で現金を求められます。
2,『厚生年金』・『企業年金』などの受け取り方法をどうするかを考える
長期にマレーシアに移住する場合、現地の銀行口座の開設、節税などを考えると、『住民票』登録を抹消し、マレーシアに『在留届』を出すのが良いと思います。
その後、所轄の日本年金機構に、届書『年金の支払いを受けるものに関する事項』の届け出(詳細は日本年金機構のホームページ https://www.nenkin.go.jpを参照の事)を行えば、マレーシアに開設した銀行口座にUSドルで振り込まれます。
もう一つの方法は、日本の銀行口座に「円」で振り込んでもらい、その後自分でインターネットバンキングを利用して、マレーシアの銀行口座に振り込む方法です。
なぜこんなことをするかですが、マレーシアの銀行をどの程度信用するかによります。
小生はこの方法です。
3,年金に掛かる『税金』の支払いについてどうするかを考える。
尚、マレーシアは日本と租税条約を締結しているので、所轄の日本年金機構に、届書『租税条約に関する届出書』を届け出ます。
これによって、日本国内で支給される『年金』に対して、税務署への納税義務は免除されます。 尚、マレーシアでは年金に対して所得税は課税されません。
ですから結局、年金は無税で受け取れます。 もちろん『住民票』登録の抹消が前提です。
4,海外に居住した年金生活者は、マレーシアの日本領事館に『在留届』の提出が必須
年金受け取りに当たっては、必ず『国民年金・厚生年金送金通知書』が後日送られてきます。これは日本年金機構が、年金受取人が指定の住所に居住していることの確認を得る為です。更に、年一回、誕生日月には、領事館からの『在留証明書』の提出が義務付けられています。
その場合、領事館は『在留届』がされていないと、この書類を発行してくれません(詳細は日本大使館のHPホームページ https://www.my.emb-japan.go.jp を参照の事)。
発行されないと、日本年金機構には送れないので、結果的に年金が止まってしまいます。
ですから、これは必須です。
おわりに
今回のテーマでは、役所への届出について紹介しましたが、最後に一つ重要なことが有ります。
役所からは少し話がずれてしまいますが、日本出国前には必ず『日本国内での郵便の受け取り・海外への転送』を代行してくれる民間会社との契約が必須です。
例えば、日本の銀行からの連絡事項、日本国内のみの通信販売の受け取りと海外転送等々結構な数が出てきます。 銀行のみならず、日本国内のクレジットカードの本人住所などは、この『郵便転送会社の住所』を日本国内の住所にしています。
もう一つ大切なことは、移住の目的をはっきりさせることです。
第二の人生を優雅に過ごしたいと言うとき、一年中居住するのか或いは年に何回か往復するのか、或いは子弟の教育と言っても、英語教育なのか?インターナショナルスクールに通学させる為なのか、目的に応じて役所に手続きすることです。
最後に、マレーシアには移住のためのサポート会社が色々あります。 マレーシアは長期移住先14年連続第一位ですから、現地サポート会社が充実しています。 この現地のサポート会社にまずは相談する事です。
日本国内のサポート会社は、結局、依頼人の話を聞き、それを現地の日本語を話すマレー系のサポート会社に連絡。 また聞きのまた聞きになります。 信用できるサポート会社は本社がマレーシアで支店を日本に置くか、マレーシアのみで営業するのが安心です。 小生も日本のサポート会社に相談し、とんでもない目に合っています。
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