マレーシア政府は、新型コロナに対する補償を多数打ち出しています。
生活に身近なところでは、補償支援の主な内容は次の通りです。
- 従業員の人数に合わせて、雇用主に給与補助金を提供
- 隔離対象期間の給料は全額給付を要請
- 社会保障機関(Socso)がスクリーニングの費用を負担
- 電気料金も最大50%割り引き
- 無料インターネットの提供
詳しくは次にご紹介します。
1、新型コロナ「COVID-19」を職業病として認定
ここがポイント!
- 従事することによって感染するリスクのある特定の職業は、雇用傷害制度の対象となる
- 体に障害が起きたり、死亡した患者へも年金制度を通じて補償を受けることができる
日本でも、通勤や業務によって発症したものと認められる場合には、労災保険給付の対象となりますよね。マレーシアでも同様の措置です。
2、雇用主は給与補助金を申請することが可能
社会保険機構(SOCSO)への申請が必要です。
4つの特徴
- 条件を満たせば、月給4,000リンギ(約100,000円)以下の従業員に対し、賃金の一部が補助される
- 従業員数に応じて支払われる額が異なる
- 外資系企業でも補助を受けられる
- 1社当たり最大200人の賃金の補助
※1リンギ=25円換算(2020年5月現在)
賃金補助を受けることができる企業の条件
3つあります。
- 雇用保険(EIS)に拠出を行っていること
- 2020年1月からの売り上げがそれ以前より50%以上減少していること
- 申請が受理されてから3カ月以内に従業員の無給休暇の取得がないこと
補償される金額
従業員の人数によって、金額が異なります。
- 75人以下の場合は月1,200リンギ/人
- 76~200人の場合は月800リンギ/一人
- 200人以上の場合は月600リンギ/人
75人以下の企業は、前述の条件である売り上げの減少は適用されません。
減少率にかかわらず受給できるということになります。日本でいう、中小企業への雇用調整助成金制度と似ていますね。
3、検査費用の負担をしてくれる
社会保険機構(SOCSO)に登録されている雇用者はスクリーニング検査が無料です。
ただし、こちらも条件があります。
- 検査が無料になる外国人労働者は建設部門の移民労働者とCovid-19レッドゾーンの労働者に対してのみ (5月15日現在)
- 症状がある場合には、治療、入院料が免除される
- 症状がない場合は、RM40の外来費用およびその他の関連費用が請求される
4、隔離される場合、その期間の補償はどうなる?
マレーシア政府は企業に対し、以下のようにするよう要請しています。
- 有給の病欠とすること
- 隔離対象期間の給料は全額支給すること
- 隔離対象でない場合、出勤を禁止できない。しかし有給の病欠が可能
- 有給休暇を使うことは不可。無休の病欠とすることも不可
マレーシアも日本と同じで、企業側がどうするか権利を握っているとしています。
5、電気料金の補助政策もある!
経済刺激策の一貫として、4月1日から6か月間、Tenaga Nasional Bhd(TNB)の電気料金の割引を打ち出しています。
Tenaga Nasional Bhd (TNB)とは・・・
マレーシアの政府系の 東南アジア最大の電力会社ですマレーシアのほとんどの世帯をテナガナショナルがカバーしています。
どれぐらい補助されるのか?
電気の使用量に基づいて、15%から50%の間で段階的に割引されます。
上限は、1か月あたり600キロワット時(kWh)です。
在宅勤務となると、常夏マレーシアでは常にエアコンを稼働させる必要が出てきます。
毎日となるとかなりの出費となるため、非常にありがたい政策ですね。
6、無料インターネットの提供!
こちらも経済刺激パッケージの一貫として、1日あたり1GBのデータを無料で提供されます。
対応している通信会社はこちら!
- Celcom
- Digi
- Maxis
- RedOne
- Tune Talk
- U-mobile
- Unifi
- Yes
- Yoodo
電気と同様に、自宅待機中や在宅勤務ではインターネット通信は大事なライフラインなので、配慮してくれる点は助かりますよね。
さいごに
新型コロナCOVID-19の感染拡大は、マレーシア経済だけでなく、世界中の多くの国々にも打撃を与えています。
旅行、レジャー、サービス業、飲食業、航空会社、小売などの業界は顕著です。この困難な時期を乗り切るために、マレーシア政府は様々な策を迅速に打ち出してきました。
それによって、一時期は日本と同程度だった感染者数が、5月20日現在は日本よりも感染者が抑えられており1万人程の感染者数の差が出ています。
ここで気を緩めずにいきたいですね。
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