毎日生活を共にする「家」はとても重要なパートナーです。今回は子連れ移住者の目線で、特に注意しておきたいこと5つをご紹介します。
1、気になる家賃相場は?
エリアによっては、日本より家賃相場が高いです。物価は日本の1/3とよく言われていますが、全てではありません。日本食を扱うスーパーマーケットやレストランなどがある、日本人に最も人気のエリア「モントキアラ」を例にご紹介します。幅はありますが、3ベッドルーム(3LDK)の平均家賃は約20万円です。(以下表はスターツのサイトを元に作成)
確かに東京の一等地よりは安いかもしれません。
しかし、移住される方は、日本からの海外赴任ではないので、赴任手当はありません。それに加え、日本で働く場合と比べると、現地採用の給料は安いです。
家賃手当の出るお仕事もありますが一部です。あまり期待しない方が良いです。
現地採用の給料は5,000RM(日本円約¥135,000)以上と決められていますが、約20万円の家賃を払えるレベルの求人はかなり限定的です。
子育て世代だと、教育費や生活費が更にかかってくるので厳しくなることが予想されます。職種や役職、共働き家庭によってはクリア出来ることもありますが、一般的には厳しいと思った方が良いです。
日本人に人気のエリアは高いということを年頭に置き、他エリアを検討されることをお勧めします。
2、オーナーに注意!
オーナーの人柄や対応の良さを確認しておくことは一番重要です。
何故なら、契約後に何か設備に不具合が生じたときに関わってくるからです。
マレーシアの物件は、日本の物件ほど造りは良くありません。
たとえ新築であっても、エアコンの聞きが悪い、水漏れしている、水が流れない…等トラブルが絶えません。
良いオーナーであれば、連絡をすればすぐに業者を手配して対応してくれます。もちろん、費用もオーナー負担です。
賃貸物件の見学の際、ほとんどの物件でオーナーが立ち会います。
その際に不具合が起きたときの責任範囲を確認しておきましょう。
また、物件や周辺環境の質問をすることもオーナーの良し悪しを決める判断材料になります。
きちんとリサーチして物件を購入したオーナーは、愛情があるので、物件の良い点をたくさん話してくれます。
部屋を大事に使ってほしいという想いも強いので、トラブルへの対応がスマートです。
また、子供がいるオーナーであれば、子連れ家庭への理解も示してくれるので、対応も親切な傾向にあります。
一方で、投資目的で購入し、多数の物件を抱える一部のオーナーは、注意が必要です。
多数抱える中の一部の物件なので関心が薄く、トラブル時のレスポンスや対応が悪い傾向にあります。
賃貸契約は最低でも一年です。その間、家とオーナー双方と付き合うこととなるので相性が大事になってきます。
その為、オーナーを知ることは最も大事であるということが言えます。
3、なるべく築年数が浅い物件を選んだ方が良い?!
繰り返しになりますが、マレーシアの物件は、日本に比べて造りが良くありません。
新築でも何かしらの不具合は生じます。
築年数が10年を超えると、
壁・天井の塗装やフロアタイルが剥がれたり、古い家電は故障したりします。
また、シャワーにも影響が出てきます。マレーシアでは、温水はガスではなく電気で温めるタイプがほとんどです。温水器が古くなると、シャワーから漏電することもあります。
数年前に、温水器の漏電によって日本人が命を落とした事故も起きています。
古い物件全てが悪いという訳ではありませんが、日本の品質に慣れてしまっていると、こういった危険を察知するアンテナ感度が鈍くなりがちです。
そういった理由から、築年数の浅い物件を選択されることをオススメしています。
クアラルンプール市内では、現在でもマンションの建築工事があちこちで行われています。
エリアに拘らなければ、いくらでも選択肢はあります。
もし築年数が5年以上経っているところを選ぶ場合は、設備のメンテナンスや交換歴を確認しておくと良いでしょう。4、コンドミニアムの中層階以下がおすすめ!
理由は高層階と低層階のメリットとデメリットをある程度クリア出来るからです。
中層階は高層階ほどではありませんが、眺めが悪いことはありませんし、虫にもほとんど悩まされません。
エレベーターの影響は受けますが、階段で登れる階数を選択すれば問題はないでしょう。
ヘイズは、エリアにもよりますが、一般的には高い所の方が影響を受けやすいです。気管支が弱い子供のためにも、影響を受けやすい高層階は避けたいですよね。
以上の理由で、低層階と高層階の間である中層階(5~20階)をオススメします。
ヘイズとは |
5、マレーシアのトイレ文化に注意!
日本人が好むバスルームの造りが非常に少ないです。
バスタブがあったり、バス・トイレが別となっていたりする物件はとても貴重で、基本的にシャワーとトイレは一緒になっています。
同じ空間でも、仕切りのガラスドアがあればかなり良い方で、仕切りが半分だけある又は全くない造りがほとんどです。
(イメージ図)仕切り半分パターン
理由は、トイレでの習慣が関係しているからです。
マレーシアでは、トイレットペーパーを使わず、ホースで直接お尻を洗う「手動ウォシュレット」の使用が一般的です。
これを使うと便器やタンクだけでなく床も濡れます。
このような状態が日常茶飯事なので、シャワーの際にトイレが濡れても気になりません。その為、仕切りがない部屋も数多く存在するのです。
自分は全く気にしないという方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、小さなお子さんがいる場合は、足元が滑りやすいので危険です。
また、小さいうちはウロウロと動き回るので、仕切りがないとあちこちに手を伸ばし苦労する場面が多々あります。オーナー次第では、契約前に交渉をすれば扉をつけてくれる場合もありますので、確認してみると良いでしょう。
マレーシアのトイレ文化を理解し、日本人好みのバス・トイレの造りは少ないということを注意しておきましょう。
まとめ
- 日本人に人気のエリアは、日本と同じくらい家賃相場は高め
- トラブル発生時に関わってくるため、オーナーをよく知る事は一番重要
- マレーシアの物件は日本程造りが良くないため、新築でも何かしらトラブルは起きる
- できる限り築年数が浅めの物件選ぶ方が良い
- 築年数が経っている物件は設備の交換やメンテナンス歴を確認しておくこと
- 高層階と低層階のそれぞれのデメリットをある程度クリア出来る「中層階」を選ぶと良い
- バス・トイレ一緒の物件が多い
- 完全な仕切りがなければ、契約前にオーナーに交渉すると良い
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