【リタイアメント男性単独移住体験談】私のマレーシア、クアラルンプール移住体験

私がマレーシアへの移住を決めたのは、何も思いつきではなく子供たちも独立して定年退職を迎えた後は、日本を離れて海外でのんびり暮らしてみたいという願望があったからでした。

移住先としては、初めからマレーシアに限定していた訳ではなく、私の場合はリタイアメントになりますので、各国の滞在条件や環境を比較してうえで条件に見合った国の一つがマレーシアでした。また、移住したとしてもその国での生活が合わなかった場合は、他の国へ移ることも考えていましたので、その国で生活することにそれほど負担ではありませんでした。

ここでは、私のマレーシアへの移住のための準備から現地での暮らし、これから移住を考えている方に参考になるような記事を、私の体験談を踏まえてご紹介したいと思います。

マレーシア移住までの準備

パスポート

私が希望した移住の条件としては、

  • ビザの条件
  • 日本からの距離
  • 気候
  • 物価
  • 治安

など一般的に海外移住を考えている方々とはそれほど相違はないと思います。その中で候補となった地域は東南アジアで、

  1. マレーシア
  2. タイ
  3. フィリピン

この3ヵ国になりました。これらの国は仕事で数回訪問したことがありました。
移住となるとその国で生活することになりますので、3ヵ国とも移住と近い環境で滞在を経験し、最終的にマレーシアが移住先としては最適地と判断。移動に向けての準備を開始しました。

短期旅行とは異なり、移住するためにはいくつかクリアしていかなければならない問題があり、ビザの取得が一番大きな問題になります。マレーシアにはMM2H(マレーシア・マイ・セカンド・ホーム)という外国人の長期滞在ビザがあります。
50歳以上と以下では条件が異なりますので、50歳以上の条件についてご説明します。

マレーシア政府が指定する申請書類一式作成の上、経済的証明として1カ月1万リンギット(約25万円)以上の収入証明、35万リンギット(約880万円)の財産証明を添えてMM2Hセンターに申請。

仮承認がおりた後、そのうち15万リンギット(約375万円)をマレーシアの金融機関に定期預金し、医療保険に加入後イミグレーション内のMM2Hセンターに申請します。

特に問題がなければ4か月程でビザの許可が下り、10年間の滞在が許可され延長も可能です。

次に、必要なのは住居の確保です。
私は交通の便等を考慮してクアラルンプールに住むことを決めており、移住前にインターネットでコンドミニアムを数件検索していましたので、すぐに確保できることが出来ました。マレーシアの賃貸契約は日本とは異なり、契約に煩わしさはなくデポジットと家賃さえ払えばすぐに入居が可能な部屋もあり、ほとんどが家具付きです。衣服や必要最低限のものを持ち込めばすぐに生活が出来ます。※2020年10月現在MM2Hビザの募集は中止されて、再開は未定です。

マレーシアでの暮らし

クアラルンプール

物価・交通手段

クアラルンプールの住居費は日本と比較して格安と言えます。

駐在員の方たちが暮らす中心部は部屋が大きくそれなりの金額になりますが、私の暮らす街は都心から若干郊外の住宅地。70㎡2ベッドルームの家賃は月額3,000リンギット(約75,000円)で築10年程の大型コンドミニアム。フィットネス、プール付きですので、日本で同じ条件でしたら3倍以上になると思います。また、比較的日本人が住んでいるペナン島でも同様のコンドミニアムがあり、クアラルンプールの7割くらいの家賃になります。

光熱費は、水道とガス代合計で月額約50リンギット(約1,250円)、電気代が約400リンギット(約10,000円)程。食費は自炊や外食でもマレーシア料理中心であれば日本よりも安くなります。
ですが、日本食レストランは日本の価格より少し高めで、スーパーで日本の商品は約3倍位になり、日本食のみで外食の多い人は日本の倍近くの金額がかかると思います。また、クアラルンプールでは日本食は比較的手に入りやすくレストランも多くありますが、他の都市ではなかなか手に入りにくいです。

交通費は日本と比較してかなり安いです。主な交通手段としてはモノレール、LRT(高架鉄道)、コミューターなどの市内鉄道は初乗り1.2リンギット(約30円)。タクシーは初乗り3リンギット(約75円)、ひとまわり大きいエグゼクティブタクシーが初乗り6リンギット(約150円)です。

住環境

クアラルンプールでは、街の中心部や郊外に多くのコンドミニアムが建ち並び、駐在員などは比較的街の中心部に住み、ロングステイヤ-の多くは郊外に住む傾向があります。
家族連れで子供が学校に通う場合は、スクールバスの送迎エリアが限られていますので中心部で暮らす場合が多いです。また、郊外に点在するコンドミニアムも日本人が多く住む地域と欧米人が多く住む地域に分かれているのが特徴です。

どのコンドミニアムもセキュリティはしっかりしていて、プール、フィットネス付きでどの部屋も広く、駐車場も一台は無料の場合が多いです。

治安

クアラルンプールの治安は東南アジアとしては良い方だと思いますし、昼夜の一人歩きも普通に可能です。ただ、日本よりスリや空き巣等の軽犯罪は多く、流しのタクシーに乗車して恐喝されお金を取られるという事件もたまに起こります。

また、国全体の治安が良い訳ではなく北部のタイとの国境付近は、タイの南部も含めて過激派による発砲や爆破事件が頻繁に起こっており、多くの市民が亡くなっています。治安が良いと言っても外国ですので、家の戸締りや外出時には人気のない所は避ける等の注意が必要です。

気候

一年を通して温暖で暮らしやすい気候で、地域により異なりますが、クアラルンプールは10月から1月位が雨季で一日に数度のスコールがありますが、降り続けることは殆どありません。
半袖で通す事も可能ですが、交通機関やデパートなどの施設は冷房が利きすぎていますので、長時間利用する場合は注意が必要です。私も長距離バスで風を引いたことがあります。

医療制度

海外で暮らす場合に心配なのが医療制度です。

マレーシアは日本とは大きく異なり、病気やケガで病院を利用した場合に同じ治療であっても病院により料金は異なります。公立の病院や国立の大学病院などは比較的安いですが、言葉の問題があり殆どの日本人は通訳付きの私立病院に行きます。
この手の病院では風邪をひいて診てもらうだけでも500リンギット(約12,500円)程必要で医療保険への加入は必要です。

これからマレーシアに移住を考える方へ

クアラルンプール

日本人の海外移住先では人気のマレーシアですが、物価も安く、治安が良く温暖な気候で過ごしやすいことが人気の理由です。確かにマレーシアの人たちは温和で、街もきれいですし、日本とは異なるイスラム文化や建造物に触れることが出来ます。

その国の習慣や宗教を理解して、受け入れることが出来れば楽しいマレーシアの生活が待っていますよ。その反面、ビザの取得や医療問題などで費用も掛かりますので、いろいろな方の体験談を参考にしながらも、無理のないきちんとした移住計画をたてる事が必要です。

私は、現在海外移住先としてのもう一つの候補地である、タイのバンコクで暮らしています。隣の国といえども、習慣や宗教も異なり、2つの国を往復して暮らしていると改めてマレーシアの良い面が良くわかります。

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マレーシアはいいところばかりではありません。
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