マレーシアの賃貸事情|安くて快適＆引っ越しも気軽って本当？実際に移住して感じた注意点と体験談

マレーシア移住を考える上で、多くの方がまず気になるのが「住まい」のこと。特にクアラルンプール（以下、KL）市内は、近年コンドミニアムの家賃が急上昇しており、物件によっては４倍上昇したと言われるところも・・・。場所や条件によっては「思ったより高い！」と驚くこともあるかもしれません。

一方で、少しエリアを変えたり、築年数の古い物件を選んだりすることで、まだまだリーズナブルに暮らす方法もあります。ただし、日本と同じ感覚で物件探しや契約を進めると、思わぬトラブルや負担が発生することも。

今回はマレーシアで実際に生活・引っ越ししてみて感じた注意点と、賃貸のトラブルや体験談をご紹介。これから住まい探しをする方にとって、少しでも参考になれば嬉しいです。

1. KL中心部は家賃が高騰！でも掘り出し物件も

まず最初にお伝えしたいのは、クアラルンプール中心部の家賃は、数年前と比べてかなり高くなってきているという点。特にモントキアラ（Mont Kiara）やバンサー、KLCC周辺など、外国人に人気のエリアでは、1ベッドルームで月RM3,000〜RM5,000（約10〜15万円）する物件も珍しくありません。

とはいえ、エリア選びと条件の調整次第でRM1,500〜RM2,500（約5〜8万円）で快適に暮らせる物件も存在します。たとえば、モントキアラ郊外、パブリカ周辺、サイバージャヤなどは、比較的家賃が落ち着いていることも。

また、築浅のコンドミニアムにこだわらず、少し古めの物件を検討すると、広さや間取りに対してかなりお得な家賃で住めるケースもあります。

※表は、２ベッドルーム・2バスルーム・家具家電付き物件の一例です。

エリア・コンド名	部屋数・広さ	家賃(RM)
モントキアラ・Verve suits（2015年築）	926sqft	3,500
モントキアラ・Ooak servised residence（2022年築）	1,236sqft	6,000
デサパーク・Westside3（2019年築）	1,077sqft	4,300
デサパーク・Park place (2024年築）	1,173sqft	6,500
KLCC・Sky suits （2019年築）	795sqft	3,600
サイバージャヤ・Lake point residence（2022年築）	926sqft	2,100

2. 急な家賃アップ、退去させられることも？！

マレーシアの賃貸契約は通常1年または2年契約で、契約満了のタイミングで更新の交渉が行われます。この時に気をつけたいのが、突然の家賃値上げ。

実際に、我が家も更新時に家賃をRM700（約2万5千円）もアップされた経験があります。人気物件に住む友人は1000RM（約3万5千円）アップしたとか・・・。交渉した結果、日頃の関係からか少しだけ下げてもらえましたが、オーナーの言い値で一方的に決まるケースも少なくありません。

特に人気エリア・物件では「いくらでも借り手が見つかる」「もっと高い家賃で借りたい人がいる」という理由や、「売却することにしたから退去してほしい」と泣く泣く引っ越しを選ぶ人もいます。

3. 引っ越しは日本より気軽！でも大変な面も

マレーシアでは、引っ越しは日本ほど大ごとではなく、比較的気軽に引っ越す人も多い印象です。というのも、生活に必要な家具家電がすでについている部屋も多いので、大型家具を購入・運搬する必要がありません。

しかし、いざ実際にやってみると、予想以上に日本とは違う手間とお金がかかると痛感しています。

原状回復は自分たちで

退去時、日本では「敷金」から清掃費や修繕費が差し引かれる形が一般的ですが、マレーシアでは自分たちでしなければなりません。壁の修復やエアコン洗浄、清掃など、すべて借主側で手配し、自己負担するのが基本です。

主にエージェントが清掃業者の紹介してくれます。自分で業者を選ぶことも可能ですが、失敗すると掃除が雑だったり、逆に割高な料金を請求されたりすることもあるので注意が必要です。

引っ越し代は安いけど

引っ越し業者は、2tトラック1台＋スタッフ2名でRM200〜RM400程度（約6,000〜12,000円）と、日本と比べてかなり安く感じられます。

ただし、安すぎる業者を選んでしまった結果、家具に傷がついたり、家電が故障したりといったトラブルも実際にあります。安い業者は損害補償などがない場合が多いので、心配なもの・貴重品は自分たちで運ぶ方が安心です。

または信頼できる業者を事前にリサーチ、知り合いに聞くなどして、搬送前にしっかり家具の保護を依頼することが大切です。

4. オーナーとのやりとりが面倒なことも

マレーシアでは、物件によってオーナーと直接やりとりをする場合と、エージェントを通す場合があります。オーナーが良い人の場合もありますが、外国人に慣れていないローカルの場合、言葉や文化の違いで意思疎通が難しくなることも。

また、何かが壊れたり修理が必要と伝えても対応が遅い、修理を渋る、もしくは連絡が取れないといったトラブルも起こりがちです。契約前に「きちんと対応してくれるか」「レスポンスが早いか」などをできる限り確認しておくと安心です。

5. 契約書をしっかり確認

契約書はほぼ必ず英語表記です。内容をしっかり読まずにサインしてしまい、後から「そんなルール聞いてない！」とトラブルになるケースもあります。

特に以下の点は必ずチェック！

• 家賃・デポジット・契約期間
• 定期的なエアコンの清掃、修繕費の負担
• ペットの飼育可否、追加料金の有無
• 家具・家電の状態記録（入居してすぐ写真に残すのがおすすめ）

分からない部分があれば、信頼できるローカルの知人や、経験者に相談するのが安心です。知り合いがいない場合、SNSでマレーシア在住者に質問するなどうまく活用している人もいます。

体験談：こんなトラブルがありました

マレーシアの物件は、日本では考えられないようなトラブルが沢山。家の構造や材質も独特で、家具・家電もとにかく壊れやすい、ということを念頭に入れておきましょう。

最も多い！水回りトラブル

マレーシアの賃貸物件で一番多いのが、トイレやお風呂・シンクなど水回りのトラブルです。体験していない人がいないといってもいいくらい頻繁な問題。入居前にはわからないことも多いのですが、天井にシミがある、配管が簡易的、流れが悪いなど、内見時にできるだけチェックを！

オーナーが故障を認めない

私が実際に体験したことですが、エアコンを付けても室温が変わらず、明らかに壊れているのにオーナーは「壊れていない」と言い張って修理してくれないことがありました。友人の場合は、すでに設置してあった洗濯機が古く壊れた際、オーナーに「壊しただろう」と疑われたり・・・。

入居時にエージェントと一緒に動作確認をしておく、故障した際も動画を送る・実際に来て確認してもらうことをおすすめします。

壁の汚れに注意

マレーシアのコンドミニアムの多くは、壁がコンクリート造りのことがほとんどで白い塗装がしてある物件が多いです。生活していると壁に何かこぼしてしまったり、掲示物で汚れたりすることも・・・。退去時にきれいにする必要がありますが、マレーシアの壁は汚れが落ちにくい！

業者に頼むと１面で300〜500RM（1〜2万円弱）かそれ以上請求されたという方も・・・。費用を抑えるために、ペンキを買ってきて自分で塗装する人もいます。

まとめ

マレーシアの賃貸は、日本と比べて初期費用が安い・プールやジム付きコンドミニアムに住める魅力があります。しかし、実際に暮らしてみると、契約更新時の家賃アップや退去時の費用負担、引っ越しに関するトラブルなど、意外な落とし穴もたくさん。

これからマレーシアに住む方には、物件選びの段階から情報をしっかり集めて、オーナーやエージェントとのやり取りを慎重に進めることをおすすめします。

賃貸生活をストレスなく過ごすためにも、ぜひ今回の情報を参考にしてみてください。

この記事を書いた人：オピエミアドバイザー　うえだりな

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