あらゆる生活インフラが整備され、2020年の今年に世界の「先進国入り」を目指すマレーシアは、気候も年中温暖で、物価も安く、住みやすい国としてもナンバーワンの人気を誇っています。
今回は、生活インフラの中で欠かせない、マレーシアの電話事情についてお話します。
なお、今の時代、自宅にわざわざ固定電話を引いて利用する人はいませんから、ここでは携帯電話に特化して分析します。
1.日本での携帯電話利用の仕組み(ふりかえり)
まず最初に、「そもそも携帯電話の仕組みとは?」について理解をいただくため、「日本の常識は世界の非常識」というところから話を始めたいと思います。
日本では、つい最近まで、携帯電話を利用するには、携帯電話会社に行って、そこのサービスと、扱っている携帯電話端末を同時に契約するのが当たり前でした。
ところが世界の常識は、携帯電話端末と携帯会社は全く関係なく、携帯電話会社で「SIM」を購入し、自分の好きな携帯電話端末に差し込んで使うのが当たり前なのです。
政府や主管庁も、最近になって日本独特のエコシステムを修正し、世界と同様、端末とサービスの契約を別々に行うよう、方針を転換しました。
いきなり長々と書いてしまいましたが、要するに、マレーシアをはじめとして、世界のほとんどの国や地域では、携帯電話サービスの契約(判り易く言えば「SIMカード」購入です)と、携帯電話端末の購入は、別々に行われているということです。
2.携帯電話の料金システム
携帯電話を利用する際に、料金支払いのスキームは、プリペイド式とポストペイド式の2種類があります。
ここでも、やはり日本のシステムの特殊性が浮き彫りになります。
プリペイド式とは、携帯電話を利用する際に、近くの販売所(コンビニなのでも普通に販売しています)で、一定額の通話料金を購入するシステムで、世界での料金システムの主流です。
購入金額分だけ使ったら、その後は通話やメールが出来なくなるので、利用者はその都度、トップアップといわれる追加購入を行い、通信を行います。
これに対して、ポストペイド式は、毎月使った分に対して、電話会社から翌月に請求が来て
、それを近くのショップで支払ったり、口座引落しで対応するものです。
日本ではポストペイドが常識ですが、世界ではその逆で、プリペイド式が常識です。
その理由は、利用者の支払い与信能力・信頼性に尽きます。
多くの国(特に東南アジア諸国など)では、国民の支払い能力に与信を与えていませんから 、まずは事前に電話料金を払ってもらい、その範囲内でサービス(通話、データなど)を提 供するのが主流です。
3.マレーシアの携帯電話料金システム
マレーシアの携帯電話料金システムは、多くの諸外国同様、プリペイド式が主流でした。
そして現在でもプリペイド式は多く流通しています。
プリペイド式の場合、それぞれの通信事業者の窓口に行って、「プリペイドSIM」(プリペイド式のSIM)を購入し、利用します。
その際、携帯電話端末は基本的にどのブランドのものでも、iPhoneはじめ、「SIMフリー」(携帯電話端末と携帯事業者が繋がっていないもの)の端末であれば問題ありません。
事実、筆者もプリペイド式のデータ・音声定額プラン(*)に加入し、利用しています。
(*)広く利用されているプランですが、60リンギット(日本円で概ね1,500円程度)支払えば、丸一ヶ月、国内の電話料金が使い放題で、かつ、モバイルデータ通信が8ギガビットまで使えるもので、ほぼ問題なく賄えます。
一方、ここ最近では、すっかりスマートフォンが定着し、4Gも普及しているため、使った分だけが銀行口座で清算されるポストペイド式の利用者も増えているようです。
4.主な携帯電話会社とメニュー
マレーシアには現在、4つの大手通信会社があります。
主な事業者とメニューをみていきましょう。
マキシス(Maxis)
マレーシア最大手の通信会社で、プリペイドSIMは「Hotlink」というブランドです。
筆者も愛用しています。
ベースプランとしては、スターターパックと呼ばれているSIMカードを約270円で購入すれば、5日間有効の通話や、2日間有効の300MBのデータ通信と、トップアップに使えるクレジットが136円程度で使えます。
デジ(Digi)
パスポートを提示すれば、海外からの旅行者専用のトラベラーズSIMを購入できます。
データ2GB+国内通話10分+国際通話10分パックでは、約550円で1週間利用可能です。
更にグレードを上げれば、データ10GB+国内通話30分+国外通話30分で15日有効のセットが約1,090円で購入できます。
セルコム(Celcom)
スタートアップとしては、約270円でスターターSIM「Xpax」を購入し、1日・1週間・1ヶ月と、自分の欲しいプランを選択します。
料金は1日利用で3GB、約81円からです。
期間限定ですが、同じ料金で3倍のデータがもらえるSNS10GB無料、といったプロモーションもあります。
ユーバイル(U Mobile)
18歳以上であれば、パスポートを提示すると旅行者用SIMカードが無料で入手できますが、稼動開始後に約820円のトップアップが必要です。
代表的なプランはUMI26で、1ヶ月約709円払えば、データ2.5GBに加え、様々なアプリが無料で利用できます。
5.マレーシアから日本への国際電話の方法と料金は
上述した各携帯電話会社のサービスを利用して、マレーシアから日本へ国際電話をかける際には、通常、通話手順としては次のとおりになります。
「+81(日本の国番号)-3(東京。最初の「ゼロ」を省く)-xxxx-xxxx(個別の番号)」
当然ながら、国際電話なのでそれなりに料金は高く、主な会社の1分間ごとの料金をみると
、MaxisもDigiも65円程度です。
10分話せば650円もかかる計算ですね。
ところが、頭にそれぞれの国際電話割り当て番号を追加して電話すると、割安になります。
Maxisの場合:「13200-81-3-xxxx-xxxx」
Digiの場合:「13300-81-3-xxxx-xxxx」
こちらの料金は、MaxisもDigiも13.5円程度と、かなりお得です。
なお、筆者もそうですが、最近ではSNSの発達により、LINEやSKYPEといった媒体を利用
すれば、無料かそれに近い環境で、しかも非常に高音質な通話が可能となっています。
むしろ、現実的にはそちらがお勧めなので、マレーシアからの国際通話には、SNSを登録
して利用されるとよいでしょう。
まとめ
みてきたように、マレーシアでは大手携帯電話会社と契約すれば、SIMフリー端末から格安でプリペイド通話やデータ通信が利用できます。
空港や、街中のあちこちに携帯電話会社の窓口がありますので、すぐに契約し、コミュニケーション手段を確保しましょう。
マレーシアではWi-fi環境も発達しているので、どこでもデータ通信やSNSが楽しめますし、SNS電話も問題ありません。
快適なマレーシアライフの参考としていただければ幸いです。
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