立憲君主制の連邦国家であるマレーシア。
国王も国家元首としています。
国王は、９州のスルタン（イスラム世界の君主の意味）から統治者会議での選挙を経て選ばれます。
マレーシアの政治の体制についてみていきましょう。
１、マレーシアは連邦国家
マレーシアは、マレー半島の１１州とボルネオ島の２州の計１３州。
そして、連邦直轄地区３地域（クアラルンプール、プトラジャヤ、ラブアン）から成り立つ連邦国家です。
首相は、議会で選出され、その後、民族バランスを取りながら各閣僚を選びます。
９人がそれぞれの州の元首です。それ以外の４州は州の元首として州知事が統括します。
州には、それぞれ議会や州政府があります。州政府の長として、州首相が選ばれます。連邦直轄地区の３地域は、連邦政府の連邦直轄区相の管轄です。
２、国王は任期制
マレーシアには国王がいます。
こちら、なんと任期があるんです。任期は５年。全１３州あるうち９州にいるスルタンからなる統治者会議での選挙で選ばれます。
これは、世界でも稀でしょう。
国王は、首相の任命や法律の裁可を行います。
国王と名付けられてますが、実権は首相と内閣が握っているため、名目上の行政の長です。
２０１９年１月３１日に、第１６代マレーシア国王にトゥンク・アブトゥラ・バハン州州王が国王に選ばれました。副王には、ナズリン・ムイズディン・シャー・ベラ州王が就任しています。
３、二院から成るマレーシア議会
マレーシアの議会は二院制です。
上院と下院から成り立っています。上院議員の任期は３年で、定数は７０議席。
うち４４議席はマレーシア国王からの任命で、残りが１３州の州議会から選ばれます。
下院議員の任期は５年で、定数は２２２議席。全員が選挙で選ばれます。連邦政府は、下院の解散権を握っていて、連邦政府の判断で下院に対し解散総選挙が行えます。
マレーシアは、１９７３年から国民戦線（バリサン・ナショナル：BN）が政権を担当してきました。
ところが、２０１８年５月、当時ナジブ政権が汚職事件を起きました。
マハティール首相率いる希望連盟（パカタン・ハラバン：PH）によるマレーシア初の政権交代が起きたのです。
かつての与党は、野党として存在しています。
しかし、２０２０年マハティール氏は、ムヒディン・ヤシン氏に破れ、２０２０年３月には、ムヒディンが首相を勤めています。
マレーシアの歴代首相は、この通りです。
| 氏名 | 在任期間 | |
| １ | トゥンク・アブドゥル・ラーマン | １９５７〜１９７０ |
| ２ | アブドゥル・ラザク | １９７０〜１９７６ |
| ３ | フセイン・オン | １９７６〜１９８１ |
| ４ | マハティール・ビン・モハマド | １９８１〜２００３ |
| ５ | アブドラ・バダウィ | ２００３〜２００９ |
| ６ | ナジブ・ラザク | ２００９〜２０１８ |
| ７ | マハティール・ビン・モハマド | ２０１８〜２０２０ |
| ８ | ムヒディン・ヤシン | ２０２０〜 |
おわりに
マレーシアの政治について紹介しました。
国王が選挙で選出されるのは、世界でも珍しい例です。
多国籍の民族から成るため、民族のバランスも考えなければならないのもマレーシア独特の政治方法だと思います。
興味を持った方は、ぜひもっと調べて見てくださいね。
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