いつも日本に帰って思う事は、
なんでこの人達はこんなに“トゲトゲ”しているのだろうと言う事です。
歩いていても、電車の中でも、何かトゲトゲして寒々しい、何かあったら“この野郎 ~”と今にでも飛び掛かってくる感じです。
それに比べると、マレーシアは“の~ンびり”“ダラダラ“。
飛行機を降りると、“あ~帰ってきた~”と思わずの~んびりします。
とは言ってもこれが365日ですから、たまには『オイオイ!いい加減にしてね~!』も有りますが、ご愛敬でしょう。
こんな老後のマレーシア生活で病気になった場合どうするかについて、お話ししたいと思
います。
マレーシアは医療のレベルが高い、と言うのが決まり文句です。
大きな病院であれば設備も整っており、英語であれば大抵通じるし、クアラルンプールと言った大都市では、日本語を話す医師や、日本語通訳スタッフがいるので、万が一病気になった時のことを考えると安心です。とは言っても、実際に病気になった場合の処置について詳しく見てゆきます。
(1) マレーシアに移住する前に打っておくべき予防接種は有るか?
こう言う質問にはびっくりしますが、外務省のWebサイトを見ても『入国に際して義務とされる
予防接種』は有りません。
尚、厚労省検疫所のWebサイトではマレーシア渡航前の推奨ワクチンは
「A型肝炎、B型肝炎、破傷風で主要都市以外では加えて、日本脳炎、狂犬病」、
更にはインフルエンザワクチンも入っています。
まあ心配な方は、予防接種されればと思いますが、副作用と思われる後遺症の残る場合も
有るので、その必要性については十分に吟味するに越したことは有りません。
それ以外にはマレーシアで注意すべき病気は「デング熱・マラリア・急性胃腸炎」だそうです。
私は大使館に「在留届」を提出しているので、色々な情報を送ってもらえますが、こういった
病気が蔓延しているので注意と言う「PR」を見た記憶は有りません。
(2) まずは持病が良くなる。
私ばかりでなく、他の日本人からも同様の話を聞きます。
「いつの間にか、持病の腰痛がなくなっちゃった!?」と言うやつです。
日本に居た時は、肩や腰に痛みが良く走っていましたが、マレーシアに移住して?年たった時、
『あれ!そう言えば痛いの忘れてた!』となります 。
全員そうかわかりませんが、マレーシアの一年中変化のない気候が影響していると思います。
(3) 歯の治療はとっても大変。歯医者だけは日本で治療を済ませておく事!
年を取るほど『歯』はガタガタ。
歯医者に行けばと思いつつも、面倒くさくて行かない。
マレーシアではそうはいきません。
まず安心出来る日本語の通ずる歯医者さんはクアラルンプールにも若干名と言った感じ。
その場所も、主には市中心部。 第一費用が高い。
虫歯治療で150~450RM(1RM=¥27:4,050~12,150円)です。 入歯作成などと言えば目が飛び出る程高額でしょう。
チョット調べて分かったのは、診療所レベルの歯医者の場合、虫歯一本抜いて200RM(5,400円)出血まる一日、歯痛三日間、治療時間1.5時間怖いですね~。
日本で治療は全て済ませておきましょう。
(4) ちょっとした怪我・病気は診療所
風邪や下痢(用心していないと直ぐやられる!)ちょっとした怪我等は、自宅近くの『診療所』に行きます。
中華系のマレーシア人の親子が医師です。
看護婦?と言うか受付の事務の小母さんはインド系、マレー系が多いです。
勿論英語は通じます。 医者は中国語も可能です。
一回の通院で、診療+施薬で60RM~200RM(1,620~5,400円)程度です。
まあ診療所はいっぱいあります。
風邪なら一日で熱が下がって三日で完治する位なら、まあまあのお医者さんでしょう。 だめなら別の診療所に行きましょう。
良く行く診療所です。
(5) 耳鼻咽喉科・眼科等は私立病院に行く事!
耳鼻咽喉科とか眼科は、日本語通訳のアシスタントさんが常駐する『私立病院』で診療することをオススメします。
マレーシアの病院は外観は大きいのですが、診療はその病院の一室を使用する個人の医師の集合体です。ですから、診療受付は全て個々のお医者さんの診療室の受付で受診依頼をします。
通訳のアシスタントさんに電話し、病状と来院日を申し出ると、何科のどの医師で、何日の
何時で予約してくれます。
その後当日には診療時間にやってきて医療通訳を行ってくれます。
私立病院に所属しているので、無料ですがとても忙しい人なので迷惑は掛けられません。
私にはもう一つ決まった私立病院が有り、そこで成人病の薬を定期的に貰います。
この私立病院では、日本人専用の窓口が有り、看護婦さん資格を持つ英語堪能な女性が常駐し
て居てくれているので、一番安心です。
(5F HSCにジャパンクリニックが有る。)
成人病薬のほか、年1~2回の血液検査、内科、皮膚科などは此処にお願いしています。
通常の診療は300RM~500RM(8,100~13,500円)程度です。
ただし施薬は別料金です。
(6) 金の切れ目が、命の切れ目です!
そして最後は入院・手術するほどの『大病』の場合です。
勿論、上記の「私立病院」となりますが、例えば、盲腸レベルで手術費用6,500RM(175,500円)程度。
尚この他にベット代金(一部屋の人数で異なる)、食事代金、検査費用等々が必要で、
総額17,000RM(459,000円)程度と言われています。
ですからこれ以上の入院・手術となると、さらに高額になります。
それと、救急外来で病院まで行っても、医療保険に入っていないとデポッジット(保証金)が求められます。
5,000RM(130,000円)程度で、現金またはクレジットカードが可能です 。
日本と違って、これを払わないと先に進めません!? 金の切れ目が、命の切れ目です。
(7) 救急車は呼べない。公立病院へ直行されてしまいます!
日本人は何かあれば救急車と、タクシー代わりに考えているような不届き者の老人がいますが、
マレーシアではすべて有料です。
それと、呼んだところで、ほとんどマレー語のみ、おまけに連れていく病院は、『公立病院』だけだそうです。
ですから、通常はタクシーを呼んで行った方が良いと言いますが、
例えば、出血がすごい、嘔吐ばかりしている等、明確に異常が見えると乗車拒否されることも有るそうです。
ですから、
何かあった場合の私立病院は決めておき、その病院の救急車の呼び出し番号を確認したり、先ほどの通訳アシスタントさんに使い方を聞いておくなど事前の準備が必要です。
公立病院でも良いじゃないとお思いでしょうが、マレーシアでは、全ての富裕層は「私立病院」しか使いません。
それが全てを語っています。
(8) 医療保険、パスポート、お金(現金・クレジットカード)は『三種の神器』
この国には国民健康保険に類するものは有りません。医療費は全額個人負担です。
但し、MM2Hホルダーは、
マレーシア国内の保険会社の『医療保険』に加入することができます。
日本の健康保険のように、何にでも使える訳ではなく、
①歯科治療は除く、②一泊入院以上から使用可能です。
保険料ですが、年齢によって違いますが、ギリギリ加入できる年齢は69歳(保険会社によ
って異なります)まで。
保険金は年間で12,000RM(324,000円)。
月1,000RM(27,000円)程度です。
これで、入院・宿泊・手術・食事・検査・施薬のすべての合計が200,000RM(5,400,000円)になる迄何度でも、使用可能です。
私の加入した、医療保険は「生命保険」とペアになっていて、死亡時には加入期間に応じた
保険金が支払われます。
葬式代金の一部にはなると言う事だったので加入しています。
因みに息子のように10代の場合は年間保険金は1,500RM(40,500円)程度で、一生こ
の保険料は変わらないそうです。
パスポート(マレーシア人は身分証を全国民が持っている)とお金(現金またはクレジットカ
ード)そして医療保険はマレーシアに住む老人にとっては、まさに『三種の神器』です。
どれ一つ欠けても、安心生活は達成できません。
(9) 生き残るための最後の手段
幸せなことにマレーシアへ移住して7年近くになりますが、大病した事はなく、これ以降はあ
くまで聞きかじりの話です。
重病を経験した方の話を聞くと、ベッドから起き上がれない程の場合は、ナースコールボタンを押せばスグ??来てくれる等の一応の体制は整っているようです。
但し、当然看護婦さんもマレーシアレベルの方が多く、深くは言いませんが、推して知るべしのレベルだと言います。
その方が仰るには、帰国できるものならば、多少無理をしてでも日本に帰って、日本の病院に入院するのが賢明な方策だと言っています。
また一方で、私が契約した保険会社とは違う保険会社(その会社は年齢制限で契約NG)の担当の方は、マレーシアでの病院の利用と費用の事を色々教えて下さいましたが、
最後に『大病なら容体が多少落ち着いたらやっぱり日本に帰って、入院することをオススメします』と言っていました。
最後の手段は『日本に帰る』これが正解のようです。
気候は年中穏やか、食事に気を付け、少しでも体を動かして健康を維持しましょう。
そうすれば『ピンピン・コロリ』があなたを待っています。
おわりに
マレーシアは一年中気候は温暖、地震、台風などの自然災害もほとんどありません。
衣食住は、日本に居る時と同じ感覚で過ごせば、間違いなく少ない費用で、心豊かに過ごせます 。 ですから老後でのマレーシア移住は、あなたの人生にとって楽しい1ページになると思います。
老後にマレーシア移住して病気になった場合の処置を把握しておくことは勿論大切ですが、
マレーシアでは『うつ病』と言う概念は有りません。
精神的にも、肉体的にも、気持ちの持ちようによっては、かなり、リラックスできます。
ですから、『ピンコロリ』を目指して、無理せず気長にやっていきましょう?
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