マレーシアはマレー系、インド系、中華系をはじめその他多くの人種や民族・宗教の人が暮らす国です。中でも、イスラム教徒は国民の60%以上を占め、国教にも指定されています。
そのイスラム教の沢山ある祝日の中でも、最大の祝日が「ハリラヤ・プアサ」(略してハリラヤ/ハリラヤ・アイディルフィトリとも呼ばれます)。その前に行われる断食の期間を「ラマダン」といいます。
今回は、マレーシアをはじめとするイスラム教の慣習・ラマダンと祝日ハリラヤ・プアサについて、基礎知識や気をつける点・楽しみ方まで30代移住ママが詳しく解説します!
ハリラヤとは
どんな祝日?
イスラム教では太陰暦(ヒジュラ暦)を使用しており、第9月をラマダン月といいます。ラマダンの1ヶ月にわたる断食が明け、お祝いする日をマレーシアではハリラヤ・プアサといいます。
マレー系・イスラム教の人々にとって1年で最もおめでたい日で、盛大にお祝いされます。毎年日にちが異なりますが、2024年は4月10〜11日がこの日にあたります。
何をするの?
お祝いの挨拶
この時期、イスラム教徒の方との挨拶は「セラマ・ハリラヤ・アイディルフィトリ」といいます。日本人にとっては言いにくい挨拶ですが、日本語に訳すなら「ハリラヤおめでとう」という意味。普段お世話になっている知人などからはメッセージが送られてきます。
子どもたちが通うインターでも、ハリラヤが近づくとこの挨拶やお祝いの歌などをマレー語の授業で習っています。
オープンハウス
ハリラヤにはオープンハウスという自宅に親戚や知人・友人を招いて、食事を振る舞う習慣があります。牛肉や鶏肉をを煮込んだ料理・ルンダン、ちまきに似たクトゥパ、マレー系の伝統菓子・クエなどをどこの家でも作っておくそうです。日本のお節みたいですね。
何件もの家を回るので「最後の方には食べ飽きて別の料理が欲しくなる」という話も聞きます。
家に招かれた際は、一般的には伝統衣裳であるバジュクロンやクバヤ(女性)、男性ならバティックのシャツに長ズボンが正装となります。しかし、肌の露出を抑えたキレイ目な服装であれば問題ありません。
イスラム教徒はお酒・アルコールを含むものは禁止されているため、手土産を持参する場合はハラル認証マークのあるものが安心です。
ハリラヤのお年玉
日本のお正月・中華系の旧正月と同様に、ハリラヤでも子供たちにはお年玉がもらえます。日本と比べると金額は安めでOK。
知り合いのお子さんに渡す機会がある方は、相場の2〜10RM(60〜300円/1RM=30円換算)ほどを準備しておきましょう。ポチ袋はこの時期に銀行や店舗を利用すると無料でもらえたり、雑貨店などでも購入できます。
現地での楽しみ方
イスラム教徒の知り合いがいなくても、ハリラヤを楽しむ方法は沢山あります!マレー系の伝統衣装を着てみる、スーパーでお祝いのお菓子を買ったり、レストランで伝統的な食事を食べるなど。
お子さんがいる場合は、日本人学校やインター校でもハリラヤのお祝いやイベントをするところが多いので、親御さんも参加してみては。
ラマダン(断食)とは
ラマダンとは「断食をする月」という意味で、約1か月間行われます。
2024年は3月11日夕方〜4月9日の期間です。
欲望を抑えることで意志を鍛え、より清い自分になる、信仰心を深め、日頃の平安に感謝をするなどの意味があります。また家族や知人みんなで一緒に断食を行うことで、一体感も生まれるそうです。健康のために行う断食とは、目的が異なるので注意。
そのため断食だけでなく、性交渉や喫煙・喧嘩や暴力なども禁止されています。
断食は日中だけ
とはいえ、その期間中ずっと断食をしているわけではありません。
日の出〜日没の間、マレーシアでいうと朝7時前〜夜7時半ごろまで水を含む食べ物を一才口にしません。日が昇る前や日没後にお祈りをして、その日の食事をします。
夕方以降に街の至るところでラマダンバザールがあったり、ホテルやレストランではラマダンビュッフェが開催されます。イスラム教徒でなくても利用できるので、この時期の楽しみでもあります。
妊娠中や生理中の女性・体調不良の方・高齢者・赤ちゃんや未就学児などは断食が免除されます。しかし実際には、イスラム教徒でも完全に断食をしない家庭もある様です。
日本人が注意すること
マレーシアでは、他の宗教・文化を持つ人に対して断食を強要することはありません。
マレー系やアラブ系のお店は日中閉まっていたり、職場の終業時間も早めになっている所もあります。しかしイスラム教でない人は通常通り食事をしていますし、飲食店も営業しています。
とはいえ、働いているオフィスの同僚や友人にイスラム教徒の人がいる場合は配慮が必要です。断食中の人の目の前で飲食をすることは控えましょう。
ラマダンバザールへ行こう
マレーシアの至る所でラマダンバザールが開催。TTDIの市場そばや、Jakel mallそばの通りなどが有名でアクセスもしやすいです。
この期間は毎日、夕方になると多くのお店・人で賑わっています。色々な料理やデザートの出店が並び、近くを通るだけでも良い匂いがします。誰でも気軽に購入することができるのでぜひ行ってみてください!
イスラム教徒は日没まで食事ができないので、買ったものはその場で食べないよう注意!持ち帰ってから食べましょう。
この時期だけの特徴3選
ハリラヤのデコレーション
ハリラヤに向けて、街は緑と黄色のデコレーションで賑わいます。街中にあるショッピングモールや商店など至る所にKetupat(クトゥパッ)を模した飾りがあちこちに見られます。
Ketupatは編んだココナッツの葉の中にもち米を入れて茹でたもので、ハリラヤに食べられます。地域によって形や味も異なるそう。
スーパーではデーツが沢山
ラマダン前になるとマレーシアのスーパーではデーツ(ナツメヤシの実)が所狭しと並びます。日本ではあまり見かけないドライフルーツですが、プルーンに似ており甘くて日本人にも食べやすい味です。
デーツは栄養価が高く、腸の調子を整えたり、美容にも良いため、断食中や明けによく食べられます。手頃なもの〜高価なものまで色々な種類があり、お気に入りを見つけるのも楽しいですよ。
ラマダン明けの渋滞に注意
ハリラヤには家族や親戚が集まって過ごすため、ラマダン終盤にもなると地元に帰省する人が増えます。日本でいう年末のイメージですね。
クアラルンプールやジョホールバルなどの都会から田舎へ向かう高速道路は渋滞するため、注意が必要です。逆に、普段の都会での渋滞は解消されます。
まとめ
いかがでしたか?日本人にはあまり馴染みのないラマダンとハリラヤ。
私自身、マレーシア移住したからこそ知れた宗教のこと、この国の文化の1つでもあります。特にラマダンの断食=苦しくて辛いものというイメージがありますが、正しく知り周りに配慮すれば、通常通り生活できますのでご安心を。
記事の中で気になることがあればさらに調べてみたり、ラマダン・ハリラヤ時期にはぜひ実際に体験してみてください!
この記事を書いた人:オピエミアドバイザー うえだりな
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