マレー半島の西海岸南部に位置する中堅都市・マラッカ（Melaka）は、マレーシアの港湾都市であり、首都のクアラルンプール(KL)からは南に150kmほど、最南端のジョホールバル(JB)からは北に250kmほどの距離にあります。
東西交通の要衝である、有名なマラッカ海峡に面する、マラッカ州の州都でもあります。
多くの日系企業も進出しており、日本人も多く在住しています。
今回は、マラッカについてみていきましょう。
1.マラッカエリアは、このような方が向いている
マレーシアに進出している日系企業は1,400社を超えていますが、南西部の中核都市であるマラッカにも多くの日系企業が古くから進出しています。
2019年には、大手メーカーが世界の製造拠点の中核としてマラッカを指定するなど、日系の製造業の裾野も広がっています。
その意味では、KLやJB、またペナンといった大都市に次いで、製造業を中心とする産業基盤も整っており、ビジネスの拠点としても確立されているため、仕事で駐在するパターンが一般的といえます。
生活インフラも整っており、生活する上で特段の心配もないので、日本人駐在員やその家族にとっても、滞在にあたって問題はありません。
また、多くの観光スポットも控えているので、マレーシアへ観光に訪れる際には、立ち寄って市内観光を楽しむのも一興です。
移動手段は、KLから車で1時間半程度なので近いですし、バスも格安で利用できます。
2.どんな魅力的なライフスタイルを提供してくれるか
マラッカは、マレーシア最古の街であり、かつてはマラッカ海峡の交易で栄え、ポルトガル・オランダが支配したこともある、多様な文化を誇る港町です。
中華系民族が圧倒するシンガポール、そしてそれに隣接するJBから、北へ上ってマラッカに着くと、首都KLにも近く、マレーシア人が多く住む、マレーシア本来の人種構成と魅力に溢れる街へと変貌する感じがします。
隣国シンガポールが、急速な経済発展を遂げる過程で置いてきた、様々な古い歴史や文化が、マラッカに行けばまだまだ多く見られ、堪能できます。
その意味では、古き良きマレーシアのイメージを残す素敵な街として、観光もよし、ショー
トステイや、更には長期永住するにも、それぞれに価値のある街といえるでしょう。
3.今後どのような発展を遂げるのか
マラッカといえば、首都KLから車で1時間半ほどと近く、また、歴史的にも極東貿易の拠点として発展した、世界遺産としての古都でもあります。
マラッカは、そうした歴史的背景からも、マレーシアの観光地として有名で、多くの観光客が訪れる人気スポットのひとつです。
その意味では、マラッカを支える今後の発展も、観光立地という特性を活かした発展が最も現実的だと思われます。
一方、日系企業を含む外資系企業の進出も進んでおり、一定の産業基盤を抱えた近代都市でもあります。
更に。上述したとおり、外資系企業の誘致も進んでいます。
マレーシア政府は、日本など外資系企業と共同で、国内製造業の生産性向上を目的とした工業団地の建設、運営に乗り出しています。
例えば、日本企業と地場の部品企業が、在庫や検品データなどの情報共有で連携を密にするほか、物流業務なども一体で進め、大幅なコスト削減につなげる計画もあります。
こうした、政府の積極的な取り組みにより、マラッカは産業・経済面でも今後、更なる発展が期待されます。
観光と産業の融合、そして、歴史と、様々な民族文化の交流を踏まえた、エキゾチックな側面からも、複合的な街全体の発展が期待されるところでしょう。
4.地域の課題
マレーシアの中にあっても、その歴史的背景から、多民族・多宗教を代表する街でもあるのがマラッカです。
歴史的に、他国や他民族などから征服されることなく、単一人種・単一宗教が基礎となって 、合理的なシステムが運営されてきた国は、様々な人種差別や宗教差別も、大きく顕在化せずに発展してきました。日本などはまさにその典型でしょう。
もちろん、マラッカのように、多民族であるからこそ、様々な価値観が生まれ、多様性も生まれるので、市場も拡大し、新しい能力も芽生え、さらなる発展が望まれる場合もありま 。
その一方、多様であるが故に、貧困や犯罪、治安の劣化といった、マイナス面も指摘されるのは事実です。
マラッカが特別にそうしたマイナスが大きいというわけではありませんが、バランスの取れた、健全な市民生活の安定確保と発展が、今後の課題かも知れません。
5.ショート移住のヒント「住まい」
マラッカの住居費は、首都のKLからみると、ショート移住の際に主に利用するホテルや、長期滞在にも使えるコンドミニアムの家賃は、概ね3割程度安いのが相場です。
ホテルはそれこそ環境や趣味、グレードによってピンキリですが、5千円もあれば十分なレベルのホテルに泊まることができます。
コンドミニアムも、単身なら5万円程度、家族帯同用の２LDKでも7万円～10万円程度あれ
ば問題なさそうです。
もっとも、建物のレベルも様々で、先進国にあっても違和感のない最新のコンドミニアムから、かなり古い建物まで、レベルの差があります。
まずは、ショート移住の場合でも、ホテルなのかコンドミニアムにするのか、そして、いくつかの物件を比較検討することが大切です。
6.暮らしを支える生活周辺環境
マラッカは、地方の中核都市として、生活環境全般に関しても、ほぼ問題ないレベルのインフラが享受できる街です。
物価もKLやJBよりも更に安いですし、ショッピングなども問題ありません。
日本のAEONや、TESCOなどの大手モールも進出しています。
むしろ、KLなどよりも整然としていて、住環境全般を考えれば、むしろ魅力を感じる部もあります。
コンパクトにまとまっていて、閑静で、安心して暮らせる街だと言えるでしょう。
KLやJB、またペナンのように、国際空港がないため、移動にはやや不便もありますが、前述したようにKLからほど近いので、大きなデメリットではありません。
もちろん、他の大都市同様、医療・教育施設も整備されており、万一の怪我や病気、そして 学校などの心配もありません。
7.ショート移住のヒント「食」
マラッカも、食に関しては豊富な街です。
地元料理を楽しみたい方は、マラッカ発祥の『ニョニャ料理』というのがお勧めです。
また、ホーカー（屋台）フードは、シンガポールで食べるよりも、より本格的な味わいがあります。
お値段も安く、100円～300円程度で食べられるし、おいしいです。
ただし、炭水化物と油が多いので、ダイエット中の方はご注意を。
さらに、マレー系料理の代表であるラクサ（ココナッツ・ミルク入りのカレー麺）も良いでしょう。
世界どこにもある中国系であれば、叉焼飯（チャーシューライス）がイチオシです。
そして、マラッカにも多いインド系であれば、定番のバナナ・リーフカレーで楽しめます。
日本料理店も多数ありますので、恋しくなったらお訪ねください。
8.ショート移住のヒント「友達づくり」
マラッカにも、KL、JBやペナン同様、日本人会があります。
様々な情報共有や、各種イベントなどが豊富にありますので、知己や友人を増やすのには大切な会です。
ショート滞在者でも、長期移住者でも、人脈を広げ、交流を深めるためにも、是非参加されることをお勧めします。
また最近では、SNSを通じた交流も非常に盛んなので、肩肘張った付き合いが苦手な方は、こうしたゆるやかな連携も良いでしょう。
子どもの学校を通じた「ママ友」なども自然と交流の場になると思います。
もちろん、こうして知り合った仲間とのゴルフリゾートも最高でしょう。
9.ショート移住のヒント「マラッカエリアアクティビティ」
マラッカは、ショート移住する際でも、古い歴史と、成長する産業、そして整備されつつある生活インフラのバランスの中で、あらゆる楽しさが見つけられる街です。
エキゾティック刺激に溢れ、また一方穏やかで、生活感の漂うマラッカで、素敵なアクティビティを楽しんでいただきたいものです。
まとめ
やはり、マレーシア最古の都市でもあり、様々な歴史と文化、民族の交流を考えれば、ともかく多様な価値観が満載といってもいいのがマラッカです。
世界遺産や歴史的名跡巡りもよし、リゾート観光もよし、グルメツアーも楽しいでしょう。
誰でも知っている大都市ではなく、こうした由緒ある中堅都市で過ごす時間と空間もまた、きっと素晴らしい思い出となることでしょう。
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